2010年06月26日

パーソナリティ障害(Personality Disorder)

パーソナリティ障害とは、生まれつきの気質や成長過程の影響と推測され、社会生活を送るうえで困難を抱えた行動をとっていると他者からも認められる状態をいう。
別称としては人格障害、性格障害、Personality Disorderなどがある。ただし、治療の際には人格や性格を治療するという(性格が悪いともとれる)表現は不適切ではないかとの声もある。

パーソナリティ障害にはいくつかの類型があり、それぞれ特徴がある。
ICD-10では以下のように分類されている。
1.妄想性人格障害
2.分裂病質性人格障害(統合失調質人格障害)
3.非社会性人格障害
4.情緒不安定性人格障害
5.演技性人格障害
6.強迫性人格障害
7.不安性人格障害(不安回避性人格障害)
8.依存性人格障害
9.その他の特定の人格障害

DSM-IV-TRでは以下のように分類されている。
クラスターA
(風変わり、自閉的、妄想を持ちやすいなどとされる。)
・妄想性人格障害
・統合失調質人格障害
・統合失調型人格障害

クラスターB
(感情の混乱が激しく演技的で情緒的。他人を巻き込むことが多い。)
・反社会性人格障害
・境界性人格障害
・演技性人格障害
・自己愛性人格障害

クラスターC
(不安や恐怖心が強い。周りの評価を気にする。)
・回避性人格障害
・依存性人格障害
・強迫性人格障害

大まかにDSMのクラスターごとに説明する。

クラスターAに属するものは、統合失調症の症状と若干似た傾向を持つが、統合失調症とは異なるものである。
妄想性は他人の言動が悪意のあるものととらえ、不信と疑いをもつとされる。
統合失調質は内向的で引きこもりがち、感情を表に出すことが少なくよそよそしい振る舞いをするとされる。
統合失調型は魔術や迷信のような思い込みを持ち、奇妙な考えや行動をとるとされる。

クラスターBに属するものは感情の起伏が激しい傾向を持つ。
反社会性は文字通り反社会的な言動が多く、個人の満足のために他人を利用したり、相手の心理を読んで操作することに長け、そうしたことをすることに罪悪感を感じることが少ないとされる。
境界性は感情の起伏が激しく、衝動的に行動することが多いとされる。暴力行為や迷惑行為を繰り返したり、自殺を企てるなどの行動を繰り返すとされる。
演技性は周囲の関心を集めようとし、自分が物事の中心でありたいと思い、そのために外見を気にしたり芝居がかった態度を取ろうとするとされる。
自己愛性は自分が特別な存在で、他者より秀でていると思っているとされ、そのことが原因で対人関係の障害が起こりやすいとされる。他者から非難されることを嫌う傾向があるとされる。

クラスターCは不安や恐怖におびえることが多いとされる。
回避性は他人からの拒絶や失敗することを恐れて対人関係を築いたり新しいことを始めることを避けることが多いとされる。
依存性は誰かに世話をされたいという過剰な欲求があり、非常に従順な性格をしているとされる。誰かがそばにいないと不安に駆られ、抑うつ状態に陥ることがあるとされる。
強迫性は完全主義で秩序やルールに厳しく、柔軟性に欠け、適応性がないとされる。
posted by トモロウ at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 試験勉強

2010年06月19日

EE研究(Expressed Emotion:EE)

Expressed Emotion(以下、EEと表記)とは感情表出のことである。
統合失調症などの精神病を抱える患者は本人を理解する家族のもとで生活するほうが再発率が抑えられると考えられてきたが、家族の接し方によってはそうでないケースがあることがわかってきている。

患者と同居している家族などが、患者に対して批判的である、拒否している、巻き込まれすぎるという感情が多く表出されると評価される高EE家族と、そうでない低EE家族の間に、退院後の再発率に大きく差があることが研究によって確かめられた。
退院後の再発率は高EE家族ではおよそ50%程度であるのに対し、低EE家族では15%程度となっているようだ。

EEという指標はある家族に対して固有のものではなく、状況に応じて変化する。
病気に対する知識を家族が学習することで、EEは低く抑えられるとされる。まずは病気を理解することが再発率低減に役立つと考えられる。
病気を持つ患者を家族が支えることは大きなストレスとなりうるため、こうしたストレスが批判的な態度を生むなどEEを高める原因となる。患者が暴力をふるうなどの症状が原因であったりするが、家族もストレスを減らす対策が必要となるだろう。
また、患者を支えるのは大変なことで、信頼できる専門家の助けを得られるかどうかが家族のEEに影響するともされている。

統合失調症などの精神病は他者からは理解しづらく、動きがダラダラしている様子を見て「怠けている」と感じたり、突然暴力をふるう様子を見て「恐ろしい」と感じるだろう。これらは一般的な解釈ではあるが、病気を持つ患者を支えるうえで障害となってしまう。
家族に理解があればこれらは症状だと理解でき、適切な対処が取れる可能性がある。
posted by トモロウ at 19:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 試験勉強

ノーマライゼーション

障害のある者が障害のない者と変わらない普通の生活を送れるような社会へ改善することであり、地域社会が障害者を差別なく受け入れるような成熟した社会を作ろうとする思想または運動である。

国際的にはデンマークのバンク・ミケルセンがノーマライゼーション運動を起こしたことで知られる。
ほか、スウェーデンのニィリエや、アメリカやカナダで活動したヴォルフェンスベルガーが有名である。

ニィリエの原則では以下のような主張が行われた。
1.社会との交流、通常の生活で体験する1日の生活リズムの実現
2.一生涯における正常な発達機会の保障
3.知的障害者の無言の願望や自己決定の尊重
4.男女両性のある世界での生活
5.正常な経済的水準の保障
6.家族との共生を含む正常な住環境の保障

バンク・ミケルセンの活動が始まった1950年代以降、ニィリエやヴォルフェンスベルガーの活動もあって全世界に運動が広がっていった。
posted by トモロウ at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 試験勉強

2010年06月01日

リフレーミング

リフレーミングとは、フレーム(枠)を再構成し、ネガティブな考え方をポジティブにしようとするもの。
人は人生経験からものごとを枠に当てはめて毎度同じように認識してしまう傾向がある。
例えば、笑われることは恥ずかしいことであるとか、怒られることは自分がだめな人間であると思うことである。
しかし、これらの枠を取り除き考えを改めてみると、同じものごとでも違った形で捉えることができる。
笑われることは人を楽しませることができたとも考えられるし、怒られることによって自分が何か成長できたと考えることができる。

気分障害として知られるうつ病などの患者はものごとを悲観的に捉える症状があるが、回復期においてもそうした考えから抜け出せずに長期間抑うつ状態が続いてしまうことがある。
こうした状況でリフレーミングを行うことで、悲観的な考えから抜け出せる可能性がある。
また、うつ病の患者以外でも考え方を変えることで前向きにものごとを捉えることができるようになる。
posted by トモロウ at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 試験勉強