2010年05月26日

精神保健福祉に関する年表

ここでは、精神障害者や精神科病院などに関係する歴史的事柄を年表という形で示してみたいと思う。
歴史的事件の時代背景や順序、精神科医療がどのように変化してきたのかを理解するのに役に立つのではないかと思う。

1883年(明治16年)
・相馬事件
精神病で監禁された中村藩主の相馬誠胤を、藩士が家族による不当監禁として告発した。精神病者の監護手続きが問題となる。

1900年(明治33年)
・精神病者監護法公布
人権保護や治療が目的ではなく、法によって精神病者を隔離することに主眼がおかれた

1918年(大正7年)
・第一次世界大戦の終戦

1919年(大正8年)
・精神病院法公布
私宅監置から病院での医療を目指すが、戦争のせいか効果は薄かった

1929年
・世界大恐慌
世界各国で経済不況が発生する

1939年
・レイン報告
コミュニティ・オーガニゼーションの基本的な体系をまとめ、その目標を「資源とニーズを調整すること」とした

1945年(昭和20年)
・第二次世界大戦の終戦

1950年(昭和25年)
・精神衛生法公布(精神病者監護法と精神病院法廃止)
私宅監置の禁止

1964年(昭和39年)
・ライシャワー事件
3月に精神障害を持つ少年にアメリカ大使のライシャワー氏がナイフで刺され重症を負った。

1965年(昭和40年)
・精神衛生法改正
精神障害者に関する申請通報制度の強化、緊急措置入院の新設など

1968年
・シーボーム報告
地方自治体におけるソーシャルワークの関連部局を統合すべきであると提言した。

1973年(昭和48年)
・Y問題
ワーカーや精神病院が人権を無視する形で合法的に人を強制入院させてしまった。

1978年
・ウルフェンデン報告
社会サービスをインフォーマル部門、公的部門、民間営利部門、民間非営利部門の4つに分け、「福祉多元主義」を打ち出した。

1982年
・バークレイ報告
インフォーマルな社会資源を含めたネットワーク活用・開発・組織化を行う「コミュニティソーシャルワーク」が提唱された。

1983年(昭和58年)
・宇都宮病院事件
宇都宮病院で職員の暴行により患者2名が死亡。閉鎖的な精神病院内での違法行為も注目を集めた。

1987年(昭和62年)
・精神衛生法が精神保健法へ改められる
任意入院制度の新設など患者の人権に対する配慮が盛り込まれる。

1988年
・グリフィス報告
自治体の役割に「マネジメント」が必要であることや、高齢者施設入所の財源を地方自治体へ移譲、市場原理による企業・ボランタリー組織のサービスを促進するなどが提唱された。

1993年(平成5年)
・精神保健法改正
精神障害者の定義変更、グループホームの法定化、保護義務者から保護者へ名称変更、大都市特例の規定などが盛り込まれた。

1995年(平成7年)
・精神保健法から精神保健福祉法へ改称
「自立と社会経済活動への参加の促進のための援助」という福祉の要素を位置づけた。精神保健福祉手帳制度の創設。障害者基本法の制定とのマッチングなど。

1999年(平成11年)
・精神保健福祉法改正
医療保護入院の要件明確化、移送制度の新設、保護者の自傷他害防止監督義務規定の削除などの負担軽減など

2005年(平成17年)
精神分裂病を統合失調症に改めた、障害者自立支援法との連携、精神障害者通院医療費公費負担制度の規定を削除、特定医師の導入など
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2010年05月20日

病前性格

病前性格とは、病気になりやすいとされる性格のことである。
病気になった者が以前どんな性格をしていたのかを調べたところ、ある程度似通った特徴を持っていたことから推測された仮説である。
このため、病気になりやすいとされる性格をしているからといって必ずしも病気になるわけでなく、万人に当てはまるわけではない。

うつ病の病前性格
・メランコリー親和型性格
几帳面、律儀、生真面目、融通が利かないなどの特徴がある。
反復性のないうつ病になりやすいとされる。
・執着性格
仕事熱心、几帳面、責任感が強いなどの特徴がある。
反復性うつ病や躁うつ病になりやすいとされる。
・循環性格
社交的で親切、温厚であるが、優柔不断で決断力が弱く板ばさみになりやすい。
躁うつ病になりやすいとされる。

統合失調症の病前性格
・おとなしく育てやすい子供のことが多い。
・家庭内暴力などの行動は少ないとされる。
・比較的控えめで安定志向の傾向がある。
・まじめで嘘をつかない。
・対人関係が苦手で非社交的。

心理学的仮説:病前性格論によるもので、自分の性格がこれらに当てはまったからといって病気になるわけではないため、過度に心配する必要はない。
また、2010年現在ではうつ病の解釈の幅が広がっており、上記仮説に当てはまらないうつ病も増えている。
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2010年05月11日

人生曲線

人生曲線とは、自分の過去を振り返り、過去の経験や出来事に対して幸福と感じていたか不幸と感じていたかをグラフにするものである。

中央左端を原点として、横軸を時間軸、縦軸上方を幸福側、縦軸下方を不幸側として記入する。
時間軸に関しては幼少期から現在に至るまでを表現する。
特に感情を数値化する必要は無いが、アバウトでも感情の強弱を表現したほうが個々の特徴の現れたグラフとなるだろう。
また、グラフの要所要所にそのときに起こったことを書き加えるとより分かりやすいものとなる。

人生曲線を記入すると、自分の過去にどのような出来事があったのか、またそのときにどのような考えを持ってきたのかを考えやすくなる。

人それぞれにグラフの描く曲線は異なる形になると思うが、常に幸福側になることは少ない。
多くは上下に曲線は動く。つまり、幸福は長くは続かないのと同時に不幸もいずれは終わると言える。
程度の差こそあれ、人は困難にぶつかってくじけそうになっても、問題を乗り越えたり、回避することによってバランスをとっている。

過去に何があり、そのときをどうやって過ごしてきたのかを振り返ることは、自分がどんな人物なのかを知る上で大事なことである。
そして今の自分が過去と照らし合わせてどんな状態であるかも知ることができる。
自分を正しく知ることができれば、少なくとも今の自分をどうして行くべきかが見えてくるのではないだろうか。
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2010年05月09日

自己覚知

自己覚知とは、己を知ることである。

クライエントの困っていることに対して相談に応じることは精神保健福祉士でない一般人でも可能である。
しかし、精神保健福祉士が一般人と大きく異なるのは、その質と言うことになる。
クライエントの相談に応じた人によって話の流れが大きく変わってしまうことはよくよくある。
これは相談援助を行う者の価値観によって大きく左右されることが分かっている。

いじめの悩みをかかえたクライエントの相談に対して、「いじめられる方が悪い」という価値観を持った相談員が応対したら、おそらく結論は話を聞く前から決まっていて、往々にして「いじめられないように努力しましょう。」という形で締めくくってしまう。
このような価値観は相談援助を行う上で大きな障害となってしまう。
仮に上記のケースが「いじめられる方が悪い」という結論に到達することになったとしても、あくまでそれはそのケースによるもので、別のケースでは異なる結論になる可能性も十分に考慮されるべきである。

ここで問題となるのが、「自分はいったいどんな価値観を持っているのか?」ということである。
自分自身の価値観を知ることは容易ではなく、しかも価値観は人生経験を積み重ねるにつれて変化していく。
では、どのようにすれば自分の価値観を知ることができるだろうか?

例えば、10人程度でいくつかの好きなものを選ぶという行動をしてみると面白いことが分かる。
・休日を室内で過ごすのが好きか、屋外で過ごすのが好きか。
・頭を使う作業が好きか、体を使う作業が好きか。
・人前に立って発表するのが好きか、そうではないか。
・お金や資産が大事か、健康が大事か。
他にもいろいろなものを選んでいくと、その人なりの価値観が見えるのではないだろうか。
もちろん、これ以外の方法を用いることも可能である。

自己覚知とは、自分自身がどのような考えを持っているのかを自己洞察することで知ることである。
何かの物事について自分がどう感じたのか、それはなぜか?
他の人と違う考えを持ったのはなぜか。
自分はどのような経験をしてきたのか、そこで何を学んだのか?
自分自身がいったい何をどう考える人物なのかを深く考えて欲しい。

価値観は常に変化する。
幼少の頃はお金が大事と思っていたが、成人してからは健康が大事だと感じるようになることもあるだろうし、その逆に感じる人もいるだろう。
このため、精神保健福祉士を目指す人は自己覚知を時々行う必要がある。
自分を振り返ることで自己覚知を行い、常に自分をコントロールできるようにする必要がある。
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